『漆黒のヴィランズ』メディアツアーでの吉田Pインタビュー記事の1つである
海外メディアTwinfiniteによるインタビュー内容をまとめました。

翻訳元:FFXIV Shadowbringers Interview: Producer Talks Major Balance Changes & Why He Won’t Reveal Scrapped Jobs Anymore

____________

ヒーラーのロールバランス

ヒラは新ジョブを追加するよりも現3ジョブ間のバランス調整に注力したということだが、
実際にどのような調整をしたのか?


漆黒のヒーラーのバランス調整には、レイドが大きな影響を与えた。

これまで、全てのヒーラージョブが充分にヒールできていたものの、ジョブ間で火力性能の差が大きかった。

ヒラのDPSは機動力やヒール力など様々な要素によって影響されていて、
それによって攻撃する余裕の差が出る。
この柔軟性がカギで、各ジョブの性能を特化させるよりも、全部のジョブで平均化することにした。

紅蓮では、白魔道士が一番席の確保に苦労していた。
ヒール力の高いヒーラーとしてデザインされ、もちろん一部のプレイヤーには攻略中にはそれが有用だった。
しかし多くのレイドPTでは学者と占星術師の方が好まれた。
この2職の方が移動しやすく、詠唱が早く、火力に貢献できた。
慣れているPTでは、ヒール力が少し高くなるよりも、ミスってワイプする可能性を下げるためになるべく早くボスを倒せる方が重要視された。

また、例えば白学のPTでは、学者が主にバリアを担当して、学者に白魔道士ほどの回復力がないために
白にヒールのほとんどが押し付けられて、学者は攻撃ばかりしている、といったことが起きていた。

3ジョブのアクションを全て見直して、それぞれのジョブで困っている点を解決できるようにした。
占星ではカードシステムがシンプルになって、逆のスタンスの効果が得られるスキルも追加される。
白魔道士のハートオブラプチャーは強力な無詠唱範囲ヒールで、
学者には多数のピュアヒールスキルが追加となる。

全てのヒーラージョブが火力面でもヒール面でも同程度貢献できるようにした。

このような横並び調整はタンクの調整でも行っていて、ヘイトコンボと攻撃スタンスの削除により、
全てのタンクジョブが自分のDPSを出すことに専念でき、
MTとなる人は単純にタンクスタンスを入れることで敵の敵視を取ることができる。





シナジーアクションの削除理由

紅蓮での一番わかりやすいシナジーの例は竜と詩のセットで、
突耐性とクリティカル率のシナジーでお互いが非常に高いダメージを出すことができていた。

このようにシナジーで強くなるジョブというのは面白いコンセプトだったが、バランスを取るのが難しすぎた。

数値のバランスというより、紅蓮でもどんな構成でもコンテンツをクリアすることは既に可能だったものの、
一般的なプレイヤー層がワールドファーストを取るようなチームの真似をすることが問題だった。

シナジーのバフ/デバフはトップ層が攻略する時のILの低さをカバーするにはとても有効で、
これ自体は意図的に入れたものだった。

しかし、残念ながら普通のプレイヤーにも、このやり方でないとだめだと認識されてしまった。
これは想定外だった。

シナジーが減ることで残念に思う人かもしれないが、これも横並び調整の一環で、
誰でも好きなジョブで遊べるようにしたかった。


新ジョブ:踊り子、ガンブレイカー、その他ボツ案

赤魔道士のように明らかに初心者向けの操作難易度のジョブがあるが、今回の新ジョブは?

踊り子は難易度的に赤魔道士寄り。
ステップやPTメンバーへのバフという独特なゲームプレイのために最初は難しく感じるかもしれないが、
慣れてくれば、直感的に操作できるのでプレイヤースキルによる差はあまり出ないはず。

ガンブレイカーはこれの逆で、最初は簡単に見えるかもしれないが、
派生するコンボの選択など頭を使う点が多く、上級者向けのジョブ。


アイデアはあったものの、実装に至らなかったジョブやコンセプトは?

ジョブの案はもちろん他にもあったが、今回は内緒。
理由はプレイヤーに期待させてがっかりさせたくないことと、開発チームに負担をかけたくないから。

アイデアを言うだけなら簡単だが、このジョブがほしかったなー と言うと、
プレイヤーにも次はこのジョブが来るのではないかと期待させてしまうし、
開発チームも「吉田さんが言ったから、なんとかしてこのジョブを実現させないと!」となってしまう。