FrostyさんとTate(GoldenTot)さんによる「漆黒のヴィランズ」メディアツアーの吉田P/D合同インタビューです。
テキスト版:MogTalk - Media Tour 2019
動画版:Naoki Yoshida Interview (2019 Media Tour) by GoldenTot & FrostyTV
_____________
動画ではインタビューの音声がそのまま入っていますが、同時通訳であることと、車の音などの雑音も多いため、吉田Pの声が聞こえにくくなっています。
聞き取れる部分はなるべく日本語での回答をそのまま書き起こしましたが、残りは英語の通訳内容を翻訳しました。
トピック一覧
・PvP:5.1大型アップデート、5.0バランス調整
・絶に関して
・ヴァルレイズの未来
・弱ジョブの強化
・アチーブメントの時間表示
・チョコボレース
・32bitサポート終了の利点
・高難易度4人用コンテンツ
・一番楽しんでほしいプレイヤー体験
今回のメディアツアーのプレゼンでは漆黒でのPvPに関する情報はなく
実機デモではそもそもPvPメニューが選択できないようになっていました。

そこでまず、
Frosty:
前回のメディアツアーではPvPの情報も多かったですが、今回は何もなく、メニューでもグレーになっています。
漆黒のローンチ時にはPvPでは何か来るのでしょうか、それとも5.1になりますか?
吉田P:
まずバランス関係に関しては、5.0でもちろん入ります。
なぜ今回PvPについて発表しなかったかというと、バトルシステム系のアップデートが多く
そこにPvPの情報も、となるとあまりにも情報量が多くなってしまうからです。
なのでPvPアクションの調整は行われています。
PvPの新しいコンテンツ自体は、パッチ5.1でリリースします。
5.1では久しぶりにやりますが、フロントラインのアップデートを予定しています。
新しいルールというか、一番評判のよかったルール関連のアップデートがあるので
情報を楽しみにしていてください。
Tate:
それではPvEコンテンツについて、これまでの絶のILシンクはどうなりますか?
吉田P:
今までのアルティメットについてですが、何もいじらないつもりです。
難易度はそのまま、アイテムレベルを引き上げたりとか制限解除できるようにはしません。
アチーブメントや武器の価値は保たれます。
そして次の絶についても計画をしているので、これについても後日詳細をお待ちください。
Tate:
漆黒シリーズでの絶は合計3回になるのでしょうか?
吉田P:
基本的に、コンテンツはおよそ2年間のロードマップをもとに計画されています。
かなり早めに準備を始めていて、決まったスケジュール通りに行っています。
例えば青魔道士は3パッチ分程度の開発期間が必要だったので、
つまり相当早い段階でいろいろと決めておかないと、計画通りにコンテンツの実装やアップデートができません。
5.xシリーズについては、6月下旬にロードマップが決まります。
余談ですが、次の拡張パッケージのゲームデザインは8月下旬に出さないといけないので
もう漆黒の次の拡張のゲームデザインを考え始めています。
絶だけではなくて、5.xシリーズのカジュアルなコンテンツやアライアンスレイドや8人レイドを含めて
6月下旬に全てのコンテンツをどのようなバランスでリリースしていくかが決まります。
その時に絶を何回やるかを当然決めます。
それと同時に、絶の今後の方向性についてもここで考えます。
今後も続けていくのか、それとも違うアイデアを検討するか等。
絶はもともと4.0のリリース直前にデザインした当初は、4.1、4.3、4.5の3回のつもりでした。
しかし、絶バハムートをリリースした直後のプレイヤーの皆さんからは
「こんなものが半年に1回来てたら死んでしまう」というリアクションが多かったです。
過酷なワールドレースだったこともあり、かなりみんな疲弊していました。
これは確かに、いくらなんでも2パッチに1回は早すぎるのではないかということで
4.5で予定していた絶をキャンセルして、4.3のアルテマで終わりました。
ところが、実際に4.3の絶を実装したところ、元気が出てきたのか、
「4.5では何が来るんだろう?」と、4.5も絶を実装してほしいと期待されていました。
ただ結果的には、開発チームとしては4.5の絶がなかったのは非常に幸運で、
バルデシオンアーセナルと今回の漆黒のヴィランズの開発も平行して行っていた時期だったので
もし4.5の絶があった場合、絶のクオリティが低いものになったか、BAをキャンセルしていた可能性が高いです。
このような結果をふまえて、5.xでの絶シリーズをどうやっていくかはまだ検討中です。
少なくとも2回はほぼ確定していて、3回目をどうするかはまだ決めていません。
開発チームの中では、やってあげたいと言っている人も何人かいるが、
次の拡張の開発もしながら3つ目を作るのは不可能だという意見もあります。
まだディスカッション中で、いいアイデアが出ればやってあげたいが、
開発チームに負担をかけすぎたり、クオリティを落としたくありません。
まずは1つ目の絶を全力で作っています。
1つ知っておいてほしいのは、あのレベルのバトルコンテンツを作れる人というのは
世界を見渡しても非常に限られていて、FF14のチームでは3人しかいません。
Frosty:
赤魔道士のヴァルレイズは非常に強く、特にレイド攻略では少ないコストで簡単に蘇生することができます。
バルデシオンアーセナルでの蘇生制限は多くのプレイヤーが面白いと感じていましたが、
零式や絶での蘇生制限などは考えていますか?
吉田P:
まず、今までできたことができなくなる、というのはさすがにプレイヤーの反発が大きいであろうということと、
赤魔道士の特徴として、簡単とは言わないが、覚えやすくてすぐ使いこなせるというのがあり、
ヒールもあれば蘇生もある。このような特徴を撤廃したくありません。
PTメンバーの蘇生制限については、零式については制限するつもりはまったくない。
絶に関してはもしかしたら今後のアイデア次第では検討するかもしれないけど、
8人レイドだと反発の方が大きい気がします。
いずれにせよ、キャスターの蘇生、召喚士・赤魔道士の蘇生があまりにも便利で、
ヒーラーが蘇生するのではなく、キャスターに蘇生を任せてヒーラーが余ったMPを攻撃に回す、
ということがあるので、調整すべきかどうか開発チームで話をしました。
その時に出た案としては、キャスターの蘇生に何かペナルティがつくようにすればいいんじゃないか、
という話も出たんですが、でもその場合ヒーラーからすると、余計なデバフがつく蘇生をするな、
という話になりかねない。だとするとそもそもレイズとは何なのかという話になってしまうので
今回に関してはレイズ周りは調整していません。議論はまだしています。
Tate:
まだ全ジョブで遊べていませんが、今回の実機プレイで感じたことは、一部のジョブを弱体化するというより、
弱いジョブを強化していると感じました。ジョブ調整はそのような意図で行っているのでしょうか。
吉田P:
はい。僕らもプレイヤーの1人でもあるので、弱体化はできる限りしたくありません。
下げるより、できるだけ上げて揃えた方がプレイヤーも気持ちがいいと思っています。
ただ、あまりにもメカニクス的に突出しているもの少し下げざるを得ないものもありました。
その効果をなくしてしまうのではなくて、一工夫必要なように調整していたりするので、
細かく見ていけば多分見つかると思います。
僕たちも喜んで数値を下げているわけじゃない、ということだけはわかってもらえると助かります。
Frosty:
僕はレイドのワールドレースの記録をとっています。
アチーブメントには日付だけ出ますが、時間まで出るようになりませんか?
吉田P:
可能だとは思いますが、サーバーのタイムスタンプなので、完全に正確ではないかもしれません。
世界標準時間で記録するべきか・・・時計を用いるといろいろと狂わされるので、プログラマーは嫌うんですよね。
ちょっと聞いてはみます。
Frosty:
次はライトな質問です。
チョコボレースはこれまであまりアップデートされて来ませんでしたが、
漆黒で新マップや何か追加要素はありますか?
吉田P:
(笑)
「そろそろやってあげたい」という声は開発チーム内でも出ていて、
PvPコンテンツもそうですが、ゴールドソーサー全体に関わる新しいコンテンツの追加は
パッチ5.1で予定されています。
拡張直後だと、プレイヤーはまずみんなメインクエストをやって、メインジョブを上げて、
サブジョブのレベリング、ギャザクラ、レイドで忙しくて、ゴールドソーサーには誰も行かないので。(笑)
チョコボレースをアップデートしてあげたいという声は確かにあります。
1つ問題があって、今のチョコボレースを実際に作っていたのは1人で、1人で全部作ったんですけど、
そのゲームデザイナーは出世をして今はレイドを作るメンバーになってしまっています。
彼がチョコボレースのアップデートをするならレイドを作る人が足りなくなってしまうので、
まず誰かにチョコボレースを引き継ぐところから始めないといけません。
Tate:
32-bitのサポートをやめたことで、具体的にどんなことができるようになりますか?
吉田P:
Windows 32bit OSの問題点は、メモリが少なすぎたところです。
むしろ32bit OSでFF14が動くことが開発チームにとっては驚きで、
もはや動いていることが奇跡というくらいのメモリの少なさでした。
なので一番大きなメリットは、デバッグコストがものすごい減ります。
たくさんの物を同時に描画することができるようになります。
例えばハウジングでは、32bitであれば表示できる限界を考慮して設定しないといけないようなことも考えなくてよくなります。
レイドコンテンツでももっと芸術的な演出が作れるようになったりというのは一番わかりやすいと思います。
それでキャラクターのグラフィックスももう一段大きく跳ね上がるかも、と思うかもしれませんが、
残念ながらそれにはグラフィックスエンジンを作り直さないといけません。
いつかはやってあげたいなと思うんですが、開発の中のグラフィックスリソースが今ぐちゃぐちゃで、
1回Shadowbringersをリリースしてから考えます。
Frosty:
トップ層のプレイヤーは常に新しいチャレンジを欲しがっていて、
いつも「4人向けの高難易度コンテンツは?」と言っています。
4人用の高難易度IDを実装したり、もしくは古いコンテンツを使い回して難しくするとか、
何か検討していますか?
吉田P:
まず、検討しているかしてないかと言われると、さっきちょっと話したコンテンツ全体のゲームデザインで、
4人用の高難易度コンテンツをどうしようというのは常に挙がっています。
ざっと、コンテンツデザイナーの1人として自分で企画しようと思って考えたところ、
4人コンテンツでめちゃくちゃ難しいということは、1人でも欠けたらほぼ壊滅するというくらい
ピーキーなバランスにしない限り高難易度にならない。
これはゲームを作っている人間ならすぐにピンとくるはずです。
その時出てくるであろう問題が2つ。
果たしてそのレベルのものを何人の人がプレイするのかと、
当然だけどたくさんの人にプレイしてもらおうと思うとリワードが必要、絶対にこれは。
この報酬が非常に強いものだった場合、カジュアルプレイヤーはものすごく反発するし、
その割には4人用のものすごいピーキーなクリアできるバランスで作るとなったら、
デザイナーとしては絶を作るくらいのコストをかけないといけない。
グラフィックスリソースを使い回せば安く上がると言っても、実際にはゲームデザイナーとしては
0から考えないといけないし、プログラミングも同じなので、グラフィックスだけの問題ではない。
じゃあそれだけレベルの高いゲームデザイナーを突っ込んで、
他のコンテンツをつぶしてまでやるのかというのは、いつも議論になって、
だから8人用の絶のほうがいいかなという話になりがちです。
もう1つの問題はジョブのバランスの問題で、1タンク・2DPS・1ヒーラー用のコンテンツの場合、
このジョブの組み合わせの方が有利だというのが8人プレイよりもより顕著に出てくる気がしています。
僕らは8人でコンテンツをクリアしていくためにジョブバランスを調整しているので、
4人になった場合、このジョブのこのアクションがものすごく有利だという可能性が出てしまうので、
ほぼそっちのためにジョブバランスを変えろと言われ始めるんじゃないかという恐怖感があって、
この2点がいつも議論になって、もうちょっと考えようという話にいつもなっています。
4人の高難易度コンテンツを作ってあげたいという思いはあるけど、
今の開発チームに「4人の零式コンテンツと、バルデシオンアーセナル2のどっちを作りたい?」と言うと、
多分みんなバルデシオンアーセナル2と言う気がします。
ただ、希望は捨てないでおいてください。
Tate:
最後に、漆黒ではプレイヤーに何を一番体験してほしいですか?
吉田P:
FF14はファイナルファンタジーのフランチャイズのプライドを持って作っています。
特に今回のShadowbringersのメインストーリーは、本当にFF14でみんなに伝えたかったこと、
見せたかった要素を全部突っ込んでいるし、14の物語の根幹に関わるものというのが
次々と明かされていくので、ものすごいショックとインパクトがあると思います。
これまで6年間光の戦士の皆さんがそれぞれいろんなコンテンツでやってきたことというのが
すべて今回のShadowbringersのストーリーに繋がっていくようになっているので、
是非メインストーリーをゆっくり楽しんでもらいたいし、僕個人としては今までの新生/蒼天/紅蓮より
今回のShadowbringersが一番ストーリーとしてはクオリティが高いと思うので、それをまず見てほしいかなと。
これをスキップするのはもったいないと、僕は正直思うんだけど…。
(Tateさんは普段ムービーをスキップしています)
テキスト版:MogTalk - Media Tour 2019
動画版:Naoki Yoshida Interview (2019 Media Tour) by GoldenTot & FrostyTV
_____________
動画ではインタビューの音声がそのまま入っていますが、同時通訳であることと、車の音などの雑音も多いため、吉田Pの声が聞こえにくくなっています。
聞き取れる部分はなるべく日本語での回答をそのまま書き起こしましたが、残りは英語の通訳内容を翻訳しました。
トピック一覧
・PvP:5.1大型アップデート、5.0バランス調整
・絶に関して
・ヴァルレイズの未来
・弱ジョブの強化
・アチーブメントの時間表示
・チョコボレース
・32bitサポート終了の利点
・高難易度4人用コンテンツ
・一番楽しんでほしいプレイヤー体験
今回のメディアツアーのプレゼンでは漆黒でのPvPに関する情報はなく
実機デモではそもそもPvPメニューが選択できないようになっていました。

そこでまず、
Frosty:
前回のメディアツアーではPvPの情報も多かったですが、今回は何もなく、メニューでもグレーになっています。
漆黒のローンチ時にはPvPでは何か来るのでしょうか、それとも5.1になりますか?
吉田P:
まずバランス関係に関しては、5.0でもちろん入ります。
なぜ今回PvPについて発表しなかったかというと、バトルシステム系のアップデートが多く
そこにPvPの情報も、となるとあまりにも情報量が多くなってしまうからです。
なのでPvPアクションの調整は行われています。
PvPの新しいコンテンツ自体は、パッチ5.1でリリースします。
5.1では久しぶりにやりますが、フロントラインのアップデートを予定しています。
新しいルールというか、一番評判のよかったルール関連のアップデートがあるので
情報を楽しみにしていてください。
Tate:
それではPvEコンテンツについて、これまでの絶のILシンクはどうなりますか?
吉田P:
今までのアルティメットについてですが、何もいじらないつもりです。
難易度はそのまま、アイテムレベルを引き上げたりとか制限解除できるようにはしません。
アチーブメントや武器の価値は保たれます。
そして次の絶についても計画をしているので、これについても後日詳細をお待ちください。
Tate:
漆黒シリーズでの絶は合計3回になるのでしょうか?
吉田P:
基本的に、コンテンツはおよそ2年間のロードマップをもとに計画されています。
かなり早めに準備を始めていて、決まったスケジュール通りに行っています。
例えば青魔道士は3パッチ分程度の開発期間が必要だったので、
つまり相当早い段階でいろいろと決めておかないと、計画通りにコンテンツの実装やアップデートができません。
5.xシリーズについては、6月下旬にロードマップが決まります。
余談ですが、次の拡張パッケージのゲームデザインは8月下旬に出さないといけないので
もう漆黒の次の拡張のゲームデザインを考え始めています。
絶だけではなくて、5.xシリーズのカジュアルなコンテンツやアライアンスレイドや8人レイドを含めて
6月下旬に全てのコンテンツをどのようなバランスでリリースしていくかが決まります。
その時に絶を何回やるかを当然決めます。
それと同時に、絶の今後の方向性についてもここで考えます。
今後も続けていくのか、それとも違うアイデアを検討するか等。
絶はもともと4.0のリリース直前にデザインした当初は、4.1、4.3、4.5の3回のつもりでした。
しかし、絶バハムートをリリースした直後のプレイヤーの皆さんからは
「こんなものが半年に1回来てたら死んでしまう」というリアクションが多かったです。
過酷なワールドレースだったこともあり、かなりみんな疲弊していました。
これは確かに、いくらなんでも2パッチに1回は早すぎるのではないかということで
4.5で予定していた絶をキャンセルして、4.3のアルテマで終わりました。
ところが、実際に4.3の絶を実装したところ、元気が出てきたのか、
「4.5では何が来るんだろう?」と、4.5も絶を実装してほしいと期待されていました。
ただ結果的には、開発チームとしては4.5の絶がなかったのは非常に幸運で、
バルデシオンアーセナルと今回の漆黒のヴィランズの開発も平行して行っていた時期だったので
もし4.5の絶があった場合、絶のクオリティが低いものになったか、BAをキャンセルしていた可能性が高いです。
このような結果をふまえて、5.xでの絶シリーズをどうやっていくかはまだ検討中です。
少なくとも2回はほぼ確定していて、3回目をどうするかはまだ決めていません。
開発チームの中では、やってあげたいと言っている人も何人かいるが、
次の拡張の開発もしながら3つ目を作るのは不可能だという意見もあります。
まだディスカッション中で、いいアイデアが出ればやってあげたいが、
開発チームに負担をかけすぎたり、クオリティを落としたくありません。
まずは1つ目の絶を全力で作っています。
1つ知っておいてほしいのは、あのレベルのバトルコンテンツを作れる人というのは
世界を見渡しても非常に限られていて、FF14のチームでは3人しかいません。
Frosty:
赤魔道士のヴァルレイズは非常に強く、特にレイド攻略では少ないコストで簡単に蘇生することができます。
バルデシオンアーセナルでの蘇生制限は多くのプレイヤーが面白いと感じていましたが、
零式や絶での蘇生制限などは考えていますか?
吉田P:
まず、今までできたことができなくなる、というのはさすがにプレイヤーの反発が大きいであろうということと、
赤魔道士の特徴として、簡単とは言わないが、覚えやすくてすぐ使いこなせるというのがあり、
ヒールもあれば蘇生もある。このような特徴を撤廃したくありません。
PTメンバーの蘇生制限については、零式については制限するつもりはまったくない。
絶に関してはもしかしたら今後のアイデア次第では検討するかもしれないけど、
8人レイドだと反発の方が大きい気がします。
いずれにせよ、キャスターの蘇生、召喚士・赤魔道士の蘇生があまりにも便利で、
ヒーラーが蘇生するのではなく、キャスターに蘇生を任せてヒーラーが余ったMPを攻撃に回す、
ということがあるので、調整すべきかどうか開発チームで話をしました。
その時に出た案としては、キャスターの蘇生に何かペナルティがつくようにすればいいんじゃないか、
という話も出たんですが、でもその場合ヒーラーからすると、余計なデバフがつく蘇生をするな、
という話になりかねない。だとするとそもそもレイズとは何なのかという話になってしまうので
今回に関してはレイズ周りは調整していません。議論はまだしています。
Tate:
まだ全ジョブで遊べていませんが、今回の実機プレイで感じたことは、一部のジョブを弱体化するというより、
弱いジョブを強化していると感じました。ジョブ調整はそのような意図で行っているのでしょうか。
吉田P:
はい。僕らもプレイヤーの1人でもあるので、弱体化はできる限りしたくありません。
下げるより、できるだけ上げて揃えた方がプレイヤーも気持ちがいいと思っています。
ただ、あまりにもメカニクス的に突出しているもの少し下げざるを得ないものもありました。
その効果をなくしてしまうのではなくて、一工夫必要なように調整していたりするので、
細かく見ていけば多分見つかると思います。
僕たちも喜んで数値を下げているわけじゃない、ということだけはわかってもらえると助かります。
Frosty:
僕はレイドのワールドレースの記録をとっています。
アチーブメントには日付だけ出ますが、時間まで出るようになりませんか?
吉田P:
可能だとは思いますが、サーバーのタイムスタンプなので、完全に正確ではないかもしれません。
世界標準時間で記録するべきか・・・時計を用いるといろいろと狂わされるので、プログラマーは嫌うんですよね。
ちょっと聞いてはみます。
Frosty:
次はライトな質問です。
チョコボレースはこれまであまりアップデートされて来ませんでしたが、
漆黒で新マップや何か追加要素はありますか?
吉田P:
(笑)
「そろそろやってあげたい」という声は開発チーム内でも出ていて、
PvPコンテンツもそうですが、ゴールドソーサー全体に関わる新しいコンテンツの追加は
パッチ5.1で予定されています。
拡張直後だと、プレイヤーはまずみんなメインクエストをやって、メインジョブを上げて、
サブジョブのレベリング、ギャザクラ、レイドで忙しくて、ゴールドソーサーには誰も行かないので。(笑)
チョコボレースをアップデートしてあげたいという声は確かにあります。
1つ問題があって、今のチョコボレースを実際に作っていたのは1人で、1人で全部作ったんですけど、
そのゲームデザイナーは出世をして今はレイドを作るメンバーになってしまっています。
彼がチョコボレースのアップデートをするならレイドを作る人が足りなくなってしまうので、
まず誰かにチョコボレースを引き継ぐところから始めないといけません。
Tate:
32-bitのサポートをやめたことで、具体的にどんなことができるようになりますか?
吉田P:
Windows 32bit OSの問題点は、メモリが少なすぎたところです。
むしろ32bit OSでFF14が動くことが開発チームにとっては驚きで、
もはや動いていることが奇跡というくらいのメモリの少なさでした。
なので一番大きなメリットは、デバッグコストがものすごい減ります。
たくさんの物を同時に描画することができるようになります。
例えばハウジングでは、32bitであれば表示できる限界を考慮して設定しないといけないようなことも考えなくてよくなります。
レイドコンテンツでももっと芸術的な演出が作れるようになったりというのは一番わかりやすいと思います。
それでキャラクターのグラフィックスももう一段大きく跳ね上がるかも、と思うかもしれませんが、
残念ながらそれにはグラフィックスエンジンを作り直さないといけません。
いつかはやってあげたいなと思うんですが、開発の中のグラフィックスリソースが今ぐちゃぐちゃで、
1回Shadowbringersをリリースしてから考えます。
Frosty:
トップ層のプレイヤーは常に新しいチャレンジを欲しがっていて、
いつも「4人向けの高難易度コンテンツは?」と言っています。
4人用の高難易度IDを実装したり、もしくは古いコンテンツを使い回して難しくするとか、
何か検討していますか?
吉田P:
まず、検討しているかしてないかと言われると、さっきちょっと話したコンテンツ全体のゲームデザインで、
4人用の高難易度コンテンツをどうしようというのは常に挙がっています。
ざっと、コンテンツデザイナーの1人として自分で企画しようと思って考えたところ、
4人コンテンツでめちゃくちゃ難しいということは、1人でも欠けたらほぼ壊滅するというくらい
ピーキーなバランスにしない限り高難易度にならない。
これはゲームを作っている人間ならすぐにピンとくるはずです。
その時出てくるであろう問題が2つ。
果たしてそのレベルのものを何人の人がプレイするのかと、
当然だけどたくさんの人にプレイしてもらおうと思うとリワードが必要、絶対にこれは。
この報酬が非常に強いものだった場合、カジュアルプレイヤーはものすごく反発するし、
その割には4人用のものすごいピーキーなクリアできるバランスで作るとなったら、
デザイナーとしては絶を作るくらいのコストをかけないといけない。
グラフィックスリソースを使い回せば安く上がると言っても、実際にはゲームデザイナーとしては
0から考えないといけないし、プログラミングも同じなので、グラフィックスだけの問題ではない。
じゃあそれだけレベルの高いゲームデザイナーを突っ込んで、
他のコンテンツをつぶしてまでやるのかというのは、いつも議論になって、
だから8人用の絶のほうがいいかなという話になりがちです。
もう1つの問題はジョブのバランスの問題で、1タンク・2DPS・1ヒーラー用のコンテンツの場合、
このジョブの組み合わせの方が有利だというのが8人プレイよりもより顕著に出てくる気がしています。
僕らは8人でコンテンツをクリアしていくためにジョブバランスを調整しているので、
4人になった場合、このジョブのこのアクションがものすごく有利だという可能性が出てしまうので、
ほぼそっちのためにジョブバランスを変えろと言われ始めるんじゃないかという恐怖感があって、
この2点がいつも議論になって、もうちょっと考えようという話にいつもなっています。
4人の高難易度コンテンツを作ってあげたいという思いはあるけど、
今の開発チームに「4人の零式コンテンツと、バルデシオンアーセナル2のどっちを作りたい?」と言うと、
多分みんなバルデシオンアーセナル2と言う気がします。
ただ、希望は捨てないでおいてください。
Tate:
最後に、漆黒ではプレイヤーに何を一番体験してほしいですか?
吉田P:
FF14はファイナルファンタジーのフランチャイズのプライドを持って作っています。
特に今回のShadowbringersのメインストーリーは、本当にFF14でみんなに伝えたかったこと、
見せたかった要素を全部突っ込んでいるし、14の物語の根幹に関わるものというのが
次々と明かされていくので、ものすごいショックとインパクトがあると思います。
これまで6年間光の戦士の皆さんがそれぞれいろんなコンテンツでやってきたことというのが
すべて今回のShadowbringersのストーリーに繋がっていくようになっているので、
是非メインストーリーをゆっくり楽しんでもらいたいし、僕個人としては今までの新生/蒼天/紅蓮より
今回のShadowbringersが一番ストーリーとしてはクオリティが高いと思うので、それをまず見てほしいかなと。
これをスキップするのはもったいないと、僕は正直思うんだけど…。
(Tateさんは普段ムービーをスキップしています)