海外メディアInverseによる祖堅さんの2017/11/14のインタビュー記事を翻訳しました。
ゲーム楽曲数のギネス記録を達成するまでの道のりや、FFシリーズ全体での音楽について等の内容です。

元記事: Inverse - 'Final Fantasy XIV' Has a Guinness World Record for a Strange Reason



どのようにFFシリーズに関わることになったのですか?

最初にスクエニに来た時は、主に効果音の作成やサウンド構成の設計、その他サウンドエンジニアリングの仕事をしていました。一般的にはこれらは複数人で分担しますが、理想のサウンドを作りたかったので、1人で広く担当するのは楽しかったです。
しばらくして、小~中規模のスケールのサウンドプロジェクトのディレクターをするようになりました。楽曲を作ってほしいと頼まれることも多かったので、これらのプロジェクト用についでに作曲もしていました。
その後FF14のサウンドディレクターに任命され、新生エオルゼアからコンポーザーも引き継ぐことになりました。


ファイナルファンタジーにとって音楽の重要性は?

どんなゲームでもそうだと思いますが、ゲームにとってサウンドは切り離せない不可欠な要素だと思ってます。
ゲームの楽曲は、ゲームプレイ体験における感情部分に影響をもたらす良いスパイスです。
FFシリーズでは、ユーザーにどんな感情を伝えたいかということに重点を置いてサウンドが作られていると言っても過言ではないと思います。


FFシリーズを振り返ってみて、最も印象的で重要な曲は何だと思いますか?

「プレリュード(クリスタルのテーマ)」と「Final Fantasy(メインテーマ)」の2曲が一番重要で印象的だと思います。両方ともシリーズ1作目から何度も登場していて、その度にゲームの雰囲気に何かしら影響を与えています。


新生エオルゼアでの作曲で一番大変だったことは?

FF14はオリジナル版の運営を続けながら同時にゲームを1から作り直すというチャレンジを行っていました。
サウンドデザインの面でも同じで、現行のゲームのサウンドをアップデートしながら新生用のものを準備する必要があって、これ自体がかなり大変でした。
でも、元のゲームを終わらせて、全く新しいサウンドを新生で登場させる、ということはとても面白くもありました。過去の汚点を忘れさせるような新しいイメージでありながら、伝統的なファンタジーゲームとしての雰囲気の音楽を作る必要がありました。かなり頭を絞って考えたのを覚えてます。




FF14と新生エオルゼアで音楽はどのように変わりましたか?

新生エオルゼアではゲームデザインからやり直すことになったので、サウンド構成やサウンドエンジンも全面的に見直すことができました。その結果、ゲーム内全般で楽曲をもっと効果的に組み込むことができるようになりました。
新生用のBGMは、新しいゲームプレイのデザインやゲーム要素を具体的に考慮しながら作りました。それらの楽曲がプレイヤーに気に入ってもらえて、クリエイターとしてとても嬉しいです。


何故FF14にはこれだけ多くの楽曲があるのですか?そのように計画されていたのか、偶然なのか。

たくさんの曲を作るように指示されたことは今まで一度もありません!
何かのコンテンツで新しいBGMが必要だと感じたら、それに合わせて作って実装しているだけです。気付いたらすごい数になっていました。


FF14で個人的に好きな曲と、その理由は?

「イマジネーション」と「ライズ~機工城アレキサンダー:天動編~」です。
理由は単純に、かっこいいと思うから。(笑)


FF向けに作曲するにあたって、植松伸夫さんのこれまでの楽曲はどのように影響していますか?

ファイナルファンタジーといえば植松伸夫さんです。FFの音楽イコール植松さんの音楽だと実際思ってます。
FF14で植松さんの楽曲をアレンジをするときは、どうやって現代のゲームに合わせた雰囲気になるかを考えてアレンジしています。
自分が作曲する時にも植松さんの楽曲から大きな影響を受けています。多分人間的にも影響を受けてると思います。いらないんじゃないかというような細かい部分にこだわったり、お酒を飲んだらふざけたことをしたり。


祖堅さんはFF14とFFシリーズの将来にどのように関わっていきますか?

将来のことを考えている余裕はありません!
毎日次のパッチに向けて作業をしていて、新しい拡張が来るともっとやらなきゃいけないことがあります。あとはサントラのアルバム用の編集をしたり、オケコン用の楽譜を作ったり、THE PRIMALSのライブ用の準備をしたり、新トレーラー用にサウンドを作ったり、テレビCM用のサウンド・・・とにかくやることが多すぎます!!あ、それで思い出しました、システムもやらなきゃいけないんでした。