北米BehemothサーバーのJump Manさんによる赤魔道士最適化ガイドの続きです。
前半はこちら → Jump Manさんの赤魔道士最適化ガイド パート1/2

翻訳元: Red Mage Tips, Tricks, and Openers

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⑤近接コンボに入る前にマナとprocを調整する


次のような状況になることがよくあると思います。
マナ75/70、ヴァルストーンprocあり。ヴァルストーン→ヴァルサンダーと使用すると84/81になり、近接コンボに入れます。ここのヴァルサンダーでヴァルファイアのprocが発生した場合どうするか?

そのまま近接コンボに入ると、ブラックマナの方が低いので最後にヴァルフレアを使うことになります。しかしヴァルフレアを選択する理由は、ヴァルファイアprocが100%発生するという点だけです。ヴァルファイアprocが既にあるのに、ヴァルフレアを使用しても意味がありません。代わりにヴァルホーリーを使用して20%のヴァルストーンproc発生を祈ってもいいですが、せっかくの100%proc発生条件ですので無駄にしたくありません。

そこで、84/81でヴァルファイアprocがあるなら、ヴァルファイア→ヴァルエアロと使用してから近接コンボに入ります。ここでのマナは95/91になり、運が良ければヴァルストーンのprocも発生し、ヴァルフレアによるヴァルファイア100%proc発生も有効に使えます。近接コンボに入る前に2GCD余分に使ったことになりますが、事前に稼いだマナが消えるわけではないので、次の近接コンボまでには追いつきます。

また、連続魔があり、ホワイトとブラックマナが両方80以上でprocが既に1つある場合、連続魔でprocのある方のマナの魔法を使います

例えば80/82でヴァルファイアprocがあり連続魔がある場合の選択肢は、
 1:ヴァルエアロを使ってヴァルストーンprocが発生→近接コンボ→ヴァルフレア。
   ヴァルファイアとヴァルストーンprocあり、11/23になる。
 2:ヴァルサンダー→近接コンボ→ヴァルホーリー→両方procあり、21/13。

最後の合計マナは34で同じですが、選択肢1ではヴァルエアロでprocが発生した場合のみ両方procがある状態になります。選択肢2なら必ずprocが両方ある状態になるので、期待値は上です。


⑤-1:アクセラレーションはヴァルホーリー/ヴァルフレアにも効果あり

※4.05パッチノートでは修正された不具合として記載されていますが、これはどうやらパッチノート上の表記ミスのようです。効果は変わらないまま、英語版では4.05で「ヴァルホーリー/ヴァルフレアにも効果あり」としてアクション詳細に追記されました。日本語版クライアントでは何故か追記されないままになっています。
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マナを無駄にするか100%proc発生条件を無駄にするか選ばなければいけない時があります。

例えば、96/90でヴァルファイアprocがあったとします。普通にスキルを回していればあまりこのような事態にはなりませんが、ギミック的に近接範囲内に近寄れず、追加で魔法を詠唱しなければならずにこうなることがあります。
この場合、アクセラレーションがあればどちらも無駄にせずに済みます。アクセラレーションを使用し、近接コンボに入り、ヴァルホーリーを使用すれば大丈夫です。アクション説明には記載されていませんが、アクセラレーションはヴァルホーリー/フレアにも効果が乗ります

・ホワイトマナとブラックマナの数値が同じ場合、アクセラレーションによりヴァルホーリー/フレアも100%procする。
・ホワイトマナがブラックマナより多い状態でヴァルホーリーを使用してもprocする。逆も同様。
・ホワイトマナがブラックマナよえり少ない状態でヴァルホーリーを使用すると、アクセラレーションのバフは消費されない。その後ヴァルストーン→ヴァルサンダーと使えばアクセラレーション効果によりヴァルファイアprocが100%発生する。

このため、普通のスキル回しでは、最速でエンリポスト直後にアクセラレーションを入れても次のヴァルエアロ/サンダーまで効果が残ります。

ただし、高い方のマナで強制procさせる場合はマナが+9以内である場合のみにします。マナの差が30を超えるとバランスゲージの色が変わり、マナが溜まりにくくなります。
30ちょうどであれば大丈夫です。つまりマナが均等な状態からアクセラレーションを使いヴァルホーリー/ヴァルフレアでprocを発生させると、ホーリー/フレアにより増えるマナが21、proc魔法により増えるマナが9なので大丈夫です。

アクセラレーションがなくこの状況(96/90、ヴァルファイアprocあり)に陥った場合、3つの選択肢があります。
 1:近接コンボに即入る。100%proc発生条件が無駄になる。
 2:ヴァルファイア→ヴァルエアロと詠唱する。ホワイトマナが7無駄になる。
 3:ヴァルファイアのみ詠唱し、近接コンボに入る。連続魔が無駄になる。

連続魔は、威力300の魔法詠唱に使用できてマナが11増えるという意味で強いのですが、このケースではマナは4しか増えません。そのため選択肢3ならあまり問題なく、100%proc発生を有効に使えるためこれを選びます。

もし開始条件が96/90ではなく94/90だった場合なら、選択肢2にします。この場合ヴァルエアロによるマナの無駄は5で済みます。個人的なルールとしては、マナが合計7以上増えるのであればジョルラより良いのでこちらを選んでいます。(細かい計算の仕方が不明なため、証明はありません)


エンボルデンの自分用の使用タイミングについて

次の項目ではレイド向けのエンボル使用について説明しますが、まずは自分用のエンボルの最適タイミングについて解説します。

よくある勘違い1:エンボルデンはエンリポストの後に使用すべき。エンリポストは威力210なので他のどのスキルよりも弱く、エンボルのバフを乗せても仕方がない。

エンリポストは弱いというのは間違いです。
ダメージを考える時にはスキル威力の数値だけでなく、秒間威力(PPS)で考えるべきです。リポストはリキャスト1.5秒なので、威力210÷1.5秒でPPSは140になります。
ヴァルエアロ/ヴァルサンダーは威力300ですが、GCDに縛られているので、威力300÷2.5秒でPPSは120です。SS1200前後のGCD2.37でもPPSは126.58にしかなりません。

スキルの強さをPPS順に並べた表が下記になります。

rdmpps

このように、エン近接スキルのPPSはSSに関係なく固定で、エンリポストは上位に入ってきます。


よくある勘違い2:
エンリポストの後にエンボルデンを使うと、5スタックの10%バフはヴァルホーリー/ヴァルフレアに間に合わない。

これも間違いで、よほどpingが悪くなければ5スタック時のバフはちゃんと乗ります。
ヴァルフレアのエフェクトはスタックが4になってから表示されますが、ヴァルファイアのprocがバフ欄に付いた時点ではまだスタックが5あります。Proc発生時点で既にダメージ計算は終わっているので、ちゃんと5スタックの10%バフが乗っています。


多くの赤魔道士はエンボルデンをリポストの後に使用しています。これによりツヴェルクハウ、ルドゥブルマン、ヴァルホーリー/ヴァルフレアがスタック5の10%バフ効果時間内に収まります。
この3つのスキルが一番威力が高いのでこのタイミングが一番良いように見えるかもしれません。
しかし、前述のようにエンリポストは4番目に秒間威力の高いスキルです。ヴァルホーリー/ヴァルフレア後に通常の詠唱から連続魔と繋げる場合、エンボルはリポストの前に使用したほうがDPSが高くなります。
ただ、迅速魔がある場合は、迅速をうまく組み込めばリポストの後に使った方がDPSが上がります。

威力の計算を行ったスプレッドシートがこちらです。→ RDM Math Stuff

パッチ4.06での最終装備のGCD2.42で計算しています。このシートをコピーして自分のGCDを入力すれば自動で計算も修正されますが、強いパターンは基本的に変わりません。
エンボルデンのタイミングが、左側がエンリポスト前、右側がエンツヴェルクハウ前です。
迅速なし、迅速遅め、ヴァルフレア/ヴァルホーリー後即迅速、の3パターンでエンボルによって上昇する威力を比較しています。

迅速魔(Swiftcast)がない場合は左上の威力上昇214.8のリポスト前エンボル使用の方が威力が高く、
embnoswift

迅速がある場合は右下の威力上昇217.4、ツヴェルクハウ前エンボルのこのスキル回しが一番威力が高くなることがわかります。
embswift

つまり、自分のDPSを最大化するには、迅速魔がなければエンリポストの前にエンボルデンを使用し、迅速魔があればエンリポストの後に使用すべきです。

基本的にはギミック処理やジョルラ省略のために迅速魔を使った方がいいので、エンボルデンはエンリポスト前に使用することが多くなります。開幕でも近接コンボ前に迅速魔を消費することが多いので、どちらにせよエンリポストの前にエンボルを使用することになります。




開幕スキル回し


赤にはDoTがなく、唯一のバフスキルはアビの威力に影響がありません。このためPT構成や状況によって開幕スキル回しはかなり融通が利きます。

共通点は、戦闘開始10秒前にアクセラレーション、6秒前にディヴァージョン、ヴァルエアロ/ヴァルサンダーの詠唱を5秒前から開始することです。
特に記載がなければ最初のアクセラレーションによる強制proc以外はproc発生を前提としていません。Procが発生したらジョルラやインパクトの代わりに使い、その後マナの調整を行ってください。
※15秒薬の場合についても一応記載されていますが、30秒の薬湯使用のスキル回しのみここでは翻訳します。



自分用

自分用のエンボルデンのタイミングについて解説したので、まずは自分用の開幕回しについて記載します。これはPTメンバーからのバフも完全に無視しているので、木人を殴るときや一般ID用に使ってください。

selfish

薬は近接コンボ全体およびこの後の2回目のフレッシュまでぎりぎり残るように使っています。
前述のように迅速魔はリキャスト中になるので、エンボルデンはエンリポストの前に使用します。

薬やエンボルの時間がわかりやすいように画像にすると、こんな感じになります。
※仮でGCD2.37に設定されていますが、最終装備の2.42でもほぼ同じです。

selfishopener


レイド用


次にレイド用の開幕スキル回しについて解説します。これはPTDPSを最大化することを目的としたスキル回しです。
まず理解しておくべきことは、このゲームでのバフは乗算なので、たとえば+10%のバフが2個あると121%となり、+20%のバフ1個による120%よりも強くなります。
バフの数が増えれば増えるほど効果が増えてくるので、他の人のバフと合わせることが大事です。

エンボルデンを最も合わせたいPTバフは、だまし討ちと桃園結義です。一般的に忍者は6GCD目に騙しを使うことが多いので、エンボルもここで使えるように調整します。
PTに詩人がいる場合はマナシフトを8GCD目までに使い、レクイエムの効果時間を21秒から30秒に延長します。
この開幕回しは下記のようになります。

raid

エンルドゥブルマンはだまし討ちの効果が切れる直前に入るはずです。
5GCD目ではデプラスマンと迅速の両方を使うので少し次のGCDに食い込んでしまいますが、6GCD目でエンボルデンを使うためにはこれが最適の回し方です。
詩人がいなければマナシフトは不要なので、2回目のコル・ア・コルを1つ前のGCDにずらします。

raidopener


レイド用遅延型

両方のいいとこ取りをしたものが、遅延型のレイド用開幕スキル回しです。PTに侍と忍者がいて、レイドの最初のフェーズが2回目のだまし討ちを使用する前に終了する場合にのみ使えます。
侍と赤は開幕のバーストが遅いので、このタイミングにバフを合わせています。10GCD目にエンボルデンを使い、忍者にだまし討ちのタイミングを合わせてもらいます。
また、迅速を使用して早めに近接コンボに入る必要がないので、エンボル中に最大威力を稼げるように迅速魔を活用できます。

delayed

delayedopener